(事例検証)『経営力再構築伴走支援』⑫ Vol.265

~負けない小規模事業者の進み方~

◆テーマ:〝ゼロスタートと最初の目標設定〟

L社の場合
■業種    小物製造業
■従業員数  1名
■業務内容  オリジナルバックの製造

△◎様  「今日はご足労頂きありがとうございます。。」

山田英司「とんでもありません。こちらこそリモートだけでご挨拶もせずで失礼しました。」

△◎様  「もしかすると良いご縁になればと思いました。」

山田英司「ありがとうございます。」

L社社長「はじめまして、まずは当社の数字面からお話しするのが良いかと思いまして。」

山田英司「ありがとうございます。」

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L社社長「実は近いうちに催事が決まりまして。新たな試みです。」

山田英司「それはいいですね。言わば法人経由での販売活動ですね。横展開できれば売上のボリュームも期待できますし…。」

L社社長「そうなんです。」

山田英司「数字を上げるには段階的な目標設定が必要かと思います。例えば、まずは〇万円の売上目標そのために〇〇のやり方でという風に。」

L社社長「当面は〇万円の売上目標で行きたいと思いますが、先生はどう思われますか!正直、良いか悪いかも分からなくて…。」

山田英司「そうですよね。ゼロからのスタートですし、その辺りの判断が難しいですよね。
そのためには今回の催事がキーポイントですね。敢えていいますがとても良い目標設定だと思います。是非、死守されて下さい。」

◆現状

L社社長は30代経営者。家業があるが、ご自身の才能や夢の実現もあり、新たな事業をスタートされ2年目である。
海外での留学経験もあられアーティスティックな雰囲気の若手経営者だ。
ガンガンビジョンを語りながら仲間を上手に増やす今どきの若手経営者とは一味違う印象。
ただ、芯は強い感じで信頼できるサポーターを探されているご様子だった。
家業は現在もご両親が経営され、本事業とは異なる。スタート以来、一般消費者 向け、つまりEコマース(BtoC)を進めて来られたが最近限界を感じられていた。

問題点

Eコマースビジネスは着手しやすい分、実は競争も激しく難易度が高い。
ユニークな商材の場合は話題性が生まれやすく、SNSなどの影響もあり、一定の広がりも見せるが、
要はそれをいかに継続、さらには成長させていくのか!?ということが重要。
私の知る限りほとんどの事業者が継続の段階で頭打ちとなっている。また社会性の高いテーマを追求する商材やサービスなどは
支援者も生まれやすいがそうでないテーマはこの点が期待できない。
特に嗜好品となるとマニアックなターゲットの場合もありで継続には一定期間 行う波及対策が必要なことも事実だ。

◆L社社長の強み

  • 若く情熱もあり、デザイン力やアート性においても才能があられるご様子。
  • 海外で学ばれた経験があり、格好の経歴をお持ちで人物としても魅力的。
  • 商材は独自性がありターゲットへの的確訴求さえできれば一定の効果があると思われる。

◆L社社長の弱み

  • ものづくりが上手な方ほど、営業やPRが苦手になる。同社長も例外では無さそう。
  • 個人事業者では商品は勿論だがご自身も目立つと良いのだが物静かな雰囲気で難しそう。
  • 商品は受注生産に近いため、販売の場面には色々と制約がある。

アドバイスポイントと解決の方向性

  • L社社長を診断したわけではないが多分守備理論派かと思われ、ご自身が目立つのは期待 できないと考えられた。お話ぶりからその点は苦手意識もお持ちのよう。
  • 上記の理由から※営業ツール開発を伴う※売りの仕組みを創る必要をアドバイス。
  • Eコマースの場合、うまくいけばとても良いビジネスになるが限界もある。状況をお聞きする段階で「法人向けの対策があると良い」と話すと、催事が近々あると教えて頂いた。 そこでこれを好機と捉え催事販売という新たなチャネル展開をご提案した。

専門家所感

社長ご自身について

情熱があられ商材もユニーク。とにかくお若いので、良いサポーターがいると成功の可能性が高くなる。特に催事の場合、数字が読めることやボリュームもあるので、生産体制を適応させることができれば横展開で数字が短期で稼げる。おまけに継続性も期待できそうとなると売上も安定化する。ただそれには法人営業という課題がある。社長ご自身の適性などを考慮するとパターン化された一種の仕組みを創ることが良いと思われる。

外部活用

今回は、当方との間に信頼できる紹介者があり、L社社長も安心してコンサルタント(私)との面談が叶った。大抵はコンサルタントの見極めほど難しいことはないだろう。ご自身でも失敗経験があられるとのことだった。ただ慣れない法人営業の展開を検討する場合は、どうしても資料作りやアプローチ方法を含め営業のやり方など指導は不可欠であろう。

対策の道筋

当面は催事が間近なので、まずはそこに集中して頂くのが良いと思われる。
ただ、今後はこの催事自体が※売り物になるため、運営準備以外に今後の法人営業に向けてしかるべき準備をする必要もある。
当面はメール等のやり取りで※プレサポートし、仮に当方が関与するに しても催事終了後の法人営業スタート時になるだろう。

※営業ツール開発
 守備型の場合、発信力を補うための様々な道具を準備すること。商談などの場合は事前にお送りする資料。
 商談時は提案書なども道具の一つ。

※売りの仕組み
 守備型は行動パターンを決めて動くのは得意。継続力があるので似たような繰り返しも馴染みやすい。
 そのため、PR・営業・発信などの行動を成果を踏まえパターン化することが大切。

※プレサポート
 個別相談やコンサルティングとして関与する前に、どうしても今後の展開に外せない業務などを事前にアドバイスすること。
 重要なタイミングや商談その他イベントなど今後の活動のターニングポイントである場合、そのことを事業者自身も気づかない
 ことが多く好機を生かす意味でも関与前指導が必要と思われる。