(事例検証)『経営力再構築伴走支援』⑦ Vol.260
~負けない小規模事業者の進み方~
◆テーマ:〝相手の懐に飛び込んで自分の利害だけではなく相手をよく学ぶ〟
☆G社の場合
■業種 高齢者住宅&介護施設
■従業員数 8人
■業務内容 高齢者向け住宅・訪問介護事業
G社社長「この度は宜しくお願い致します。」
山田英司「先日の営業メンタリングのご参加ありがとうございました。ご参加の感想や私のアドバイス内容はいかがでしたでしょうか!?」
G社社長「とても参考になりました。当社に興味を持って頂き具体的なアドバイスを頂けたと思います。
他の事業者の事業推進に関するご相談内容も聞けて参考になることが多かったです。」
山田英司「ありがとうございます。他の事業者のご質問が参考になられたのですね。それは良かったです。」
G社社長「私の場合、新規事業のご相談でしたがビジネス化と言いますか、お金をいかに回収すれば良いか!?ということに頭を悩ましておりました。この方面は中々お金を回収するのが難しく、今後の方向性も整理できずにいました。」
山田英司「そのようですね。ご自身のビジネスは法人相手になると思います。この場合、相手の法人がどのようなことで困っているのか!?どのようなことならお金を払ってでも実現させたいと思われるのか!?などを調査する必要があるかと思います。」
G社社長「はい、その点はご説明で理解できました。そう言えばニーズ調査と言いますか!?私自身の業務価値と言いますか!?その点に関するリサーチは未だ手付かずだったように思います。」
山田英司「ご理解頂けて良かったです。」
G社社長「はい、ありがとうございます。ところでその方法ですが、、。」
◆現状
G社社長は日々現場にも入られるご多忙な社長。その合間を縫って新規事業に向けた様々なご活動を並行して実施されていらっしゃる。
小規模企業はどうしても人手不足に陥りがち。社長も常に現場仕事を抱えていらっしゃるのが当たり前。机にじっと座っていられる方はまずいない。
それにも増して介護業界は一層人材問題が負担となる。にも拘わらず色々ご苦労をされ数年前より外国人人材を採用されている。
新規事業も彼ら日本に来る外国人に関するビジネスである。
ただG社同様人材不足に拍車が掛かっている小規模企業の場合、大手企業とは異なり採用にコストを掛ける余裕はなく外国人人材を採用するには様々なハードルがある。
ここに着眼されたG社長はご自身でも苦労されたご経験がベースになっていて着眼点や方向性は素晴らしいと思った。
ただ、ビジネス化(換金)は一筋縄ではいかず、まずは導入可能性の高い法人企業に色々 インタビューをすることが大切かと思われた。
◆問題点
- G社社長は現業でかなりご多忙であられる。
- 業界が閉鎖的で古い商習慣などもあり、同業でのビジネス展開はハードルが高い。
- 他業界での展開も視野に入るが、あいにくマーケティング的活動のご経験がなく、取材感覚でのインタビューは得意とは言えない。
◆G社の強み
- G社社長のご経験に共感される事業者は多い。
- セミナー等での講師経験(研修も含む)も豊富で実績も多数お持ち。プレゼンテーション 力がある。
- 協力者と思われる候補の方も複数いらっしゃる。
◆G社の弱み
- G社社長のご性格から絞り込んだ決断&即実行という面で事業推進力が弱くなりがち。
- 日常業務に加え、普段から面倒見がよく人望もあられお誘いも多いため多忙になりがち。
- 細部に目が届き慎重な点が行動力を削ぎやすく、新たな挑戦が先延ばしになる恐れがあ る。
◆アドバイスポイントと解決の方向性
- 方向性確定のためのリサーチを徹底して行い、当面はそのことにのみ集中する。
- 完璧でなくても良いので段階別の計画を立て早々に実行に移す。
- 新規事業の立ち上げの遅延を防止する一環で伴走者を作り、チェック機能を持つ。
専門家所感
社長ご自身について
守備理論派G社社長は面倒見がよく、人を大切に思われる。その面が新規事業の特性にも表れている。
ただ、ビジネス面はその点とは別の視点で考えなければならない。
現業のご多忙もあり、加えて人に執着しがちな点で頭や心の切り替えがとても難しいと思われる。
気づかないうちに空回りで同じことを繰り返してしまっていたり前に進めずにいたりしてしまう。
これらのせいで大胆な行動に出られなくなってしまう恐れがある。
外部活用
つい過剰な気配りや配慮をしてしまい、時にはバッサリと切り捨てていかなければならない時もできていない場合がある。
客観的思考が強く、主体的に事が進みにくい恐れがある。
熟考型の雰囲気が周囲からの意見やアドバイスを無意識に遠ざけてしまう(というより周囲が遠慮する)。
継続且つ積極的に意見を得て、調整過剰や行動量アップに関する指摘を受 けると効果的だ。
対策の道筋
社長の性格や価値観がそのまま経営に表れるという話を繰り返してしまうが、これはまさに言えている。
成長市場という追い風があった時代や、市場の拡大に支えられた事業立ち上げならまだしも、
成熟市場下や成長途上の潜在市場(※ブルーオーシャン市場)期の場合は自分を信じる行動だけが事業推進となる。
周囲の意見を取り入れ過ぎると命取りだ。間違っていようがいまいが不屈の行動力による現状打破でしか新市場を切り開くことはできない からだ。
※ブルーオーシャン
文字通り「誰も人がいないような広大に広がる青い海原」を示している。競争相手はなく、未開拓の市場という意味合いだ。
新しい商品、新しいビジネスモデルなど過去に例のない自由なアイデアや発想から生まれるまさにイノベート型ビジネスだ。
これに対し類似商品が多数ある場合や同様のビジネスモデルの存在する市場を〝レッドオーシャン〟と呼ぶ。
まさに血で血を洗うような厳しく荒々しい真っ赤な海という意味合いだ。
ちなみに『ブルーオーシャン』では攻撃理論派や攻撃行動派が市場を切り拓き、
〝レッドオーシャン〟では守備理論派や守備行動派がビジネスを安定化させる。

