(事例検証)『経営力再構築伴走支援』⑥ Vol.259

~負けない小規模事業者の進み方~

◆テーマ:〝強みは自らで信じて伸ばす!弱みは理解者に助けてもらおう!〟

☆F社の場合
■業種    花屋
■従業員数  3人
■業務内容  店舗経営・ネット通販運営

F社社長「本日はわざわざお店までお越し頂きありがとうございます。お久しぶりです。」

山田英司「そうですね。セミナーにお越し頂いた時からですと6年になりますか!?コロナ禍もお店をしっかり運営されて素晴らしいです。」

F社社長「実はそうでもないんです。融資も受けまして何とか生き延びました。それでその間いろいろ考えが浮かびまして、やはり今後お店だけに頼っていくのはリスクがあるなぁと思いました。」

山田英司「そうなんですね。やはりお花も影響がありましたか…。」

F社社長「はい。かなり…。お金が入る道筋は複数必要と思いました。ネット通販も勿論継続しますが、力を別のところにも掛けようと思いました。それで山田先生のことを思い出しまして…。」

山田英司「そうでしたか、ありがとうございます。」

F社社長「とんでもありません。あれは確か法人営業に関するセミナーだったと思います。当時の私には無関係だと思いましたが、セミナー自体は楽しく拝聴致しました。」

山田英司「ありがとうございます。ご名刺交換に来て頂けましたものねぇ。」

F社社長「ご縁があったのだと思います。実は今、ある会社からお仕事を請けており、1社だけですが、これを広げていけないか!?と思いまして。」

山田英司「承知致しました。商品としての可能性やその後の拡販対策に関するご相談ですね。」

F社社長「はい。まさにその2つなんです。」

◆現状

F社社長は女性経営者。もとは大きなフラワーセンターのお仕事をされていて、私が同社に指導で出向いた際にチーフをされていた。その後ご縁が続き独立後も数回お会いしている。事業立ち上げの時なども上手に外部を活用される素晴らしい経営者だ。コロナ禍には40%ほど売上が減ったがようやく最近持ち直された。お店とネットを活用した販売と2本立てで展開。ネット通販と言ってもお店で購入されたお客様をSNSに取り込み、商材提案しネット顧客に転換するという流れをされていて、一般客に通販をするのとは少々異なる。セミナー終了後の無料相談コーナーでネット通販のご相談があった際に、私が『現業に並行してもできそうなことから始めましょう!』というアドバイスを忠実に実行 されている。コロナ禍では同サイトの売上でかなり助かったようだった。

問題点

  • F社社長とアルバイト3名で切り盛りされていて、戦力に限界がある。
  • 会社からのご注文は閑散期であったため対応できたが、繁忙期は対応が難しい。
  • お店を開けている時間が長く、F社社長に負担が掛かり過ぎている。
  • F社社長が多種多様なフラワーデザインのお仕事を請けられるので人に任せられない。

◆F社の強み

  • F社社長のデザイン力が強みであり、人気も高い。
  • 交友関係も広く、ご紹介でのお仕事が多い。
  • 店舗が駅前で立地も良く、集客が安定している。

◆F社の弱み

  • F社社長の企画力&デザイン力が却って過剰なサービスを生んでしまっている。
  • 交友関係が仇となりいろいろな情報が入って来ることで対策など散漫になり継続しない。
  • 年間計画などのスケジュールがなく、直前になってバタつくなど業務効率が悪い。

アドバイスポイントと解決の方向性

  • まずは換金対策を兼ねて※製品、商品、売り物と営業目線で商材を明確に整理する。
  • お店と法人相手の新ビジネスにおいて向こう10年を見据えた事業イメージを固める
  • 年間業務カレンダーを作成し企画や仕入れスタートを早めに把握できるようにする。

専門家所感

社長ご自身について

攻撃行動派のF社社長は人間的魅力が溢れ多くの人を引き付ける天賦の才がある。そのお陰で様々な人との交流がありいろいろな方からアドバイスが得られる。
中には好意的なモノから少し相手の利害からのモノもあるが、多くはF社社長自身のご性格や現状の経営状態を十分把握した上でのアドバイスではない。
そのため何でもかんでも取り入れてしまうと、後々ご負担になったり、思わぬ問題を起こしてしまうこともある。
F社社長自身が自らの強みや弱みを十分理解され、周囲のアドバイスを取捨選択できるようになることが大切 だ。

外部活用

強みを意識した支援より弱みを補う支援が大切だ。F社社長の場合は「〇□をしましょう!」「▼□はいいですよ!」という外部より、
「✕□はやめておきましょう。その理由は~」や「○◆が続いていないようですが…。」と手を広げ過ぎないことや決めたことをしっかり
継続するためのアドバイスが重要であることを分かった上のパートナーやブレインが最適 である。

対策の道筋

小規模企業では社長がすべて。そのため社長の性格や価値観がそのまま経営に表れる。
人間なので当然良いところもある、悪いところも出てくる。
おまけにその両方において自分では気づけないことが多く、まずはしっかり把握することが大切だ。
F社社長の場合では失礼ながら『絞ること』『決めること』『続けること』が弱点なので、
対策企画のポイントはこの3 つとなる。

※製品、商品、売り物
マーケティングの視点から商品化を行う際のプロセスや、営業活動の視点から商品を分類する手法。
あくまで山田式である。顧客ニーズや要望に応える形で見えてきた商品やサービスはまさに請負型商品。
これを〝製品〟と命名。営業活動の視点から見ると最も売り込みにくいモノだ。
これは買い手が100%に近いイニシアティヴを持っているため、メリットや売りのポイントを売り手が十分把握できていないからだ。
それとは異なり『商品』は、売り手側が売り手なりの目線でメリットや利点を把握し、明文化ができているケースを指す。
そのため営業活動が可能になる。ただあくまで売り手目線なので買い手にインパクトがあるかどうかは分からない。
もうお分かりかと思うが『売り物』とはまさに顧客から見たメリットが明確になった状況。
販促による拡販やPRもスムースになり、SNS拡散も期待できる状態の まさに売りやすい商品となる。