(事例検証)『経営力再構築伴走支援』③ Vol.256
~負けない小規模事業者の進み方~
◆テーマ:〝売り方の方向転換〟
☆C社の場合
■業種 水産加工業
■従業員数 15人
■業務内容 一次・二次加工卸、販売業
C社社長「ふるさと納税を始め、ギフト市場に中々食い込めず困っています。何かいい対策はないでしょうか!?」
山田英司「今回はギフト市場への法人開拓ですね。百貨店とか物産店が狙いですね。」
C社社長「はい。商談会には去年から出ていて引き合いもあり取引もスタートするのですが長続きしません。パッケージなんかも補助金などを活用して作ったのはいいのですが、在庫の山でして・・・。あるバイヤーにはデザイン変更なんかも依頼されてしまい正直困っています。」
山田英司「そうなんですね。ところでつかぬことを伺いますが、どのような経緯で一般向け商品まで手を出されたのですか!?貴社は元々食品卸売業なのでは!?」
C社社長「近年魚の仕入れも変動が激しく、結構大変でして。商品化をしてしまえば保存もききますし、直接通販などでユーザーに売れるので利益率もいいと思いました。」
山田英司「でもやってみるとそうでもなく、結構課題も多いことが分かってきたということですね。」
C社社長「まさにご指摘の通りです。六次化推進のセミナーにも行きまして、銀行が補助金のことも教えてくれたので肩を押されました。確かにその時はいい対策と思ったのですが…。」
山田英司「方向転換を考えてみませんか!?私が具体的なやり方を細かくアドバイスします。」
C社社長「それはどんな方法ですか?」
◆現状
後継者であられるC社社長ですが、魚種の転換、原材料の高騰など厳しい問題に直面され、事業改革も視野に入れBtoC市場に乗り出されることになった模様。
ただ、そう簡単に事は運ばず、逆に負担になりつつあるご様子。すでに長きにわたり業績が低迷する中、これまでの既成概念を取っ払いお一人で新たなことに
チャレンジして成功するケースは極端に 少ないのだが、その辺りの第三者アドバイスは無かったようだ。
◆問題点
- 震災以降売上は年々微減。コロナ禍で利益減がより顕在化。
- 六次化セミナーなどを受講され、銀行の後押しもあり補助金を申請し商品化を実施したが 販路のことまでは考えていなかった。
- ギフト市場は品数も豊富で競争も激しく、採用になっても長続きせず、価格競争もあって手間の割には利益が少ない。
- ギフト市場は品数も豊富で競争も激しく、採用になっても長続きせず、価格競争もあって手間の割には利益が少ない。
◆C社の強み
- 加工に関しては味付けのノウハウも含め、かなり定評。
- 長年、ご愛顧頂いている取引先が多い。
- 味噌を始め調味料等にこだわりがあり仕入れに豊富なネットワークがある。
◆C社の弱み
- 長らく同じ得意先との関係が中心で自社技術の価値に関する検証が不十分。
- 外に向けた情報発信経験が無く、そもそもPRの手法がよく分からない。
- 社長は職人。社長以外も現場の工場メンバーと事務員でそれぞれ多忙。商談や営業に人材 を割けない。
◆アドバイスポイントと解決の方向性
- 加工技術の特徴について言語化し、いくつかの項目別に整理してみる。
- 上記内容をツール(提案書)にまとめ、得意先を始め身近な人にプレゼンテーションする。
- 何人かに伝えることで自社の強みを再確認し、それをもとに再度ターゲットや商材開発を 行う。
専門家所感
社長ご自身について
同社長は守備型の理論派で少々頑固なところがあられる。人の意見には否定的であまり大胆なことはされないが、
銀行からの提案に心が動かれたご様子。ただ、昨今は※プロダクトアウト志向で成功するのは難しく、
※マーケットイン志向を持つことが重要。つまり販路 において可能性があるかどうかの事前検証を十分にしてから行動を起こす必要がある。
外部活用
経営戦略を決めて、戦術レベルに落とし込んだ状態で専門家を活用する方法と、戦略構築の段階で専門家を活用するのといずれが良いか!?
もちろん課題によって状況は変わるわけ だが、Ⅽ社社長の場合は二代目ということもあり、まず後者であろう。
対策の道筋
守備理論派の性格である同社長には、自分自身の重い腰を上げ、頭で考えるだけでなく行動から新たなノウハウを生み出す試みを挑戦して欲しい。
自社の強みが見えてくれば、その後 の経営戦略も整理でき、無理の少ない戦術を見つけやすい。
※プロダクトアウトとマーケットイン簡単に言えば自社が作りたいモノを開発して売るのがプロダクトアウト、 顧客の要望や意見に基づいた モノを開発し売るのがマーケットインで、どちらもマーケティング用語。

