(事例検証)『経営力再構築伴走支援』① Vol.254
~負けない小規模事業者の進み方~
◆テーマ:〝営業についてはじめて学ぶ〟
☆A社の場合
■業種 水産加工業
■従業員数 19人
■業務内容 食品加工、贈答品企画開発・販売
A社社長「山田先生にはどのようなことをアドバイスして頂けるのですか!?」
山田英司「事業の方向性について問題がないかを検証し、現状の販路における課題探しや改善や改革案づくり、さらには強化策をアドバイスします。」
A社社長「それは助かります。アレコレ複数の専門家に相談するのはとても無理なので問題の分析から実際のやり方まで教えて頂けるなら心強いです。」
山田英司「ありがとうございます。私の場合小規模事業者の営業に関するワンストップ関与が特徴です。」
A社社長「実は先日も販路拡大の指導ができるという専門家に会いましたが何かしっくり来ない感じで…。」
山田英司「そうなんですね。その専門家がどのようなアドバイスだったかはわかりませんが、ちなみに社長の場合は販路拡大か販路開拓かについても再吟味する必要があると思います。」
A社社長「ん??販路拡大?販路開拓?一体どう違うんですか!?」
◆現状
現大口得意先からの受注が急激に減少。
資材高騰などのマイナス要因も重なり、社長自身 が意気消沈気味。自己流で販路拡大展開を模索中。
◆問題点
- 売上構成比の60%以上を占める従来の得意先からの受注が減少。慌てられている。
- 売上減少における原因分析をせずに、いきなり販路拡大をしようとされている。
- 必要な方向性を販路拡大とすでに決め込まれてしまっている。
◆A社の強み
- 一次加工から二次加工まで一貫した体制がある。
- 20年に渡り得意先からの要望に真摯に応え、加工技術(骨抜き)に独自性がある。
- 仕事に拘りがある。ただ人想いで会社は明るいムード。
◆A社の弱み
- 外部活用は顧問税理士以外無し。組合や商工会議所等の支援機関との交流も少ない。
- 生産者の先代が加工依頼を請け起業。設備投資のみでPRや販促活動への投資はない。
- 新規顧客開拓の経験はなく紹介も相手からの声掛けが主で自ら動かれた様子はない。
◆アドバイスポイントと解決の方向性
- 社長に売上確保の選択肢や法人営業の知識がないことをまずはご理解頂く。
- 販路拡大(現商材で販路を広げる)ではなく販路開拓(商材&販路自体を見直す)を行う。
- 得意先構成比の偏り解消を目指し、経営負担が少ない形で新商材&販路開発が必要。
専門家所感
社長ご自身について
A社社長は典型的な守備型で世話好きなご性格。顧客の要望にも真摯に応えられてきてビジネスが安定成長したと思われる。
ただ、変化の時代はこの性格が邪魔になる。自らで発 案し、多少の反対があっても推し進めることを要求されるからだ。
外部活用
社長は専門家紹介を商工会議所に相談をされたのが幸いだった。同業者からの紹介だと幾つかの問題がある。
つまり業種は同じでも問題点は各社バラバラ。専門家も課題解決スキルはあっても、問題発掘や着手の優先順位化ができるかは不明。
商工会議所で専門に経営支援 をされている担当に出会えたので同担当と今後も関係維持が必要。
対策の道筋
社長自身、営業知識がなく売上減少に対し、単に買い先を探すというアイデアで限界のよう。
ただ商品の化粧直しもせずにいきなり商談会に出席しても撃沈してしまう。売り先を定め、
できる限り相手が好みそうな商材に近づけてから商談の土俵に上げることが重要。
もちろん商材開発において負担は禁物。そこでまずは現状の強みを整理し、言語化するところから始めるのが得策かと思われる。
業界目線と外部目線では強みの見方が異なる。そこでまず 私が途中まで書面にまとめる形でスタートすることとした。
※販路拡大と販路開拓
販路拡大は現商材で新たな売り先を探すことや販売量を増やすことを指し、
販路開拓はマーチャンダイジングを含め商材見直しやそれに合わせた販路先の開拓を指す。
前者は商材を中心にするプロダクトア ウト的志向、後者は売り先を中心に考えるマーケットイン的志向。

