(事例検証)『経営力再構築伴走支援』② Vol.255

~負けない小規模事業者の進み方~

◆テーマ:〝営業についてはじめて学ぶ2〟

☆B社の場合
■業種    自動車販売・整備事業
■従業員数  10人
■業務内容  車の販売、整備、修理、保険業

B社社長「先生は私どものようなディーラーのご指導経験がおありとのことで…。」

山田英司「はい。実は大手損保会社の営業指導を行っていた関係で、同社の客先を何件かご紹介頂きアドバイスしたことがあります。」

B社社長「そうなんですか!?では保険代理店とかの中身もよくご存じなわけですね。」

山田英司「はい、専門というわけではありませんが最低限の知識はあると思います。」

B社社長「それは良かったです。では率直に伺うのですが、我々には商品と言えば車くらいで正直差別化が難しく、競争時代に入りPRのイメージが全く湧きません。今日は先生に我々のような業界での㏚についてご意見を伺いたいと思っております。」

山田英司「そうでしたか…。では今のご商売についての売上構成比など拝見できますか!?」
「それを拝見しながらいくつか質問させて下さい。その上でPRやあるいは営業の方向性をご提案させて頂きます。」

B社社長「〝営業〟ですか!?どこかにカバンを持って売り込むということでしょうか!?」

山田英司「僭越ですが、営業には様々な形があります。まずは売上構成比から御社の売りのポイントを私自身が理解し、売り物を見極めたいと思います。」

B社社長「???」

◆現状

創業50年。自動車産業の成長とともに販売から車検整備、メンテナンス、保険と事業を

拡大されてきた。平成期は年商6億円を突破したこともあるようで2代目ながらかなり の成功体験をお持ち。それゆえどうしても事業を俯瞰的に捉えられず足踏み状態。

問題点

  • 自動車販売が低迷だった上に昨今のコロナやウクライナ事情で新車供給不足もあり減益。
  • 整備部門の高齢化による人材補強や既存客高齢化による免許返納増加で顧客減。
  • 今後のEV化への対応も遅れ気味で問題が相乗的に重なり、動けない。

◆B社の強み

  • 地元に密着し、強固な顧客層がある。親族にライセンス保持者がいる。
  • お店と工場が同じ敷地内にあり、一貫体制が整っている。
  • 女性事務員の方の接客力が抜群。ファンも多い。

◆B社の弱み

  • 車検のタイミングが分かるシステム以外は顧客リストなどがアナログで未整備。
  • 整備関係の技術者が高齢化して、今後のEVなどへの転換が難しい。
  • webは定型で、チラシやポスティングでの景品販促以外の経験はない。

アドバイスポイントと解決の方向性

  • 専門家は勿論、支援側が経営者自身の弱点をしっかり把握し補強する。
  • 戦略や販促手法など細かいところまで組み立てを行い提案&合意形成を行う。
  • 一定期間伴走し、理論ではなく具体的活動を通して最適な方向性をご理解頂く。

専門家所感

社長ご自身について

同社長は守備型の行動派で変化に弱いタイプだろう。予測&計画力が弱点。現状況ではストレスも高い。
経済産業省(地方経済産業局)の経営力再構築伴走支援のガイドラインが掲げる自己変革への「5つの障壁」である
①見えない
②向き合わない
③実行できない
等から判断 するとB社社長は②と③の間だろうか!?そもそも新規の挑戦に及び腰な気がした。

外部活用

同社長の弱点をしっかり分析し、補う形が大切と感じた。今回は戦略内容の組み立てや販促企画など手取り足取り具体的な提案をする必要がある。
理論や考え方指導やアイデア提供 程度では動き出すことができないだろう。

対策の道筋

同社の強み部分と売上構成比を使って売り物を査定すると明確な方向性が見えた。
ただ社長にあの手この手で説明をしたが理解が得られず、とにかくこの秋から来春にかけて行う作戦を一旦専門家である私の方が
具体的に組み立てとりあえず乗って頂くお願いをした。
行動派であるB社社長は体験学習タイプで実際の活動を通してでないと内容を飲み込んで頂けないため特に伴走の必要性を感じたからだ。
実際、数字を見ると売り物らしきものが分かり、同社の強みを使えば新たな事業戦略の方向性が見えてくるのだが、
現時点では社長 にはイメージできないようだ。

※経営力再構築伴走支援
中小企業・小規模事業者の経営者が自己変革力・潜在力を引き出し、経営力を強化・再構築することを
目的とした支援モデル。具体的な支援方法は自由であり、多様であるが、傾聴と対話を基本的な姿勢とすることが望ましい。